iDeCoの20年11月の新規加入者は約3.3万人、第2号会社員の月額掛金ジワリ増額
国民年金基金連合会が1月4日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると、2020年11月の新規加入者数は3万2,905人で加入者総数は178万4,586人になった。従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は2,253事業所、対象従業員数は1万4,497人になった。
11月の新規加入者の内訳は、第1号加入者が3,990人(前月4,449人)、第2号加入者は2万7,346人(前月3万673人)、第3号加入者は1,569人(前月1,712人)となった。なお、第2号加入者の中では、企業年金なしの新規加入者が1万7,116人(前月1万8,780人)、共済組合員(公務員)の新規加入者は6,009人(前月7,084人)となった。
iDeCo新規加入者数の推移
出所:モーニングスター作成
加入者の内訳を前年同月比で比較すると、第1号加入者が前年同月比23.8%増、第2号加入者が同13.2%増、第3号加入者が28.7%増と、前月に引き続いて第1号と第3号加入者の増加が目立った。第3号加入者については、8月以来4カ月連続で前年同期比20%以上の増加が継続し、第3号加入者総数は7月時点で5万8,729人だったものが、11月には6万4,767人になった。前年までは1カ月当たり1,400人程度の加入者だったものが、現在は1,600人~1,700人程度に加入者増の水準が引き上がっている。
一方、目立たないながらも、加入者の掛金額(月額平均)がジワリと上がってきている。この傾向は、第2号の「企業年金なし」、および、「企業年金あり」で目立っている。「企業年金なし」は2020年1月が16,089円だったものが11月には16,175円(0.53%増)になった。同じく、「企業年金あり」は10,661円から10,739円(0.73%増)になった。その他の加入者は横ばいだ。
iDeCoの掛金は、公的年金と企業年金の加入状況によって区分があり、たとえば、公務員は拠出限度額が月額12,000円に対して平均掛金が10,918円と限度額の90%超の水準をすでに掛けているため上積み余地が小さい。これに対して、第2号の「企業年金なし」は限度額の月額23,000円に対して70%超、「企業年金あり」は上限の20,000円に対して54%程度でしかない。この差異を考えると、第2号の「企業年金なし」および「企業年金あり」の平均掛金は、もう少し上昇する可能性がある。
また、同様に比較すると、第1号は掛金上限の68,000円に対し、現在は27,249円と上限比40.07%であり、第3号も23,000円の上限に対して64%超の14,832円に留まっている。この第1号と第3号は、現在、加入者の増勢が顕著になっているところである。掛金については横ばいとなっているが、上限との関係では増額余地が大きく、掛金の金額の変化にも注目していきたい。
出所:モーニングスター作成
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