iDeCoニュース

「S&P500」など先進国株式インデックスファンドに資金集中、iDeCo新規加入者は2倍増=DC専用ファンド(2025年1月)

2025/02/12 10:50

 DC専用ファンドの2025年1月の純資金流出入額(速報値)は約815億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降50カ月連続、流入額の規模は前月の523億円から増加した。資産分類別の流入額トップは「先進国株式」で流入額は約524億円(前月は471億円)、次いで「バランス」の約172億円(同80億円)だった。一方、「国内株式」は、約25億円(前月は80億円の流出)の資金流出で、10月から4カ月連続の資金流出になった。

image001.jpg


 DC専用ファンド全体の純資産総額は約14兆8,257億円と前月から約570億円増加して4カ月連続で史上最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド57%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月と同じ比率だった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

image003.jpg


資金流入額のトップ10は全て先進国株式インデックスファンド


 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月と同様に「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」だった。第2位に「DIAM 外国株式インデックスF」、第3位に「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」が入るなど、資金流入額トップ10の全てを先進国株式インデックスファンドが占めた。うち、3銘柄が米国「S&P500」連動型のインデックスファンドだった。

 DCを使った積立投資については、外国株式インデックスファンドというのが「王道」として定着してきた。実際にパフォーマンスにおいても「S&P500」インデックスファンドは年30%程度の値上がり率を記録しているため、運用収益の面でも非常に魅力的な投資先と感じられているだろう。しかし、先進国株式一辺倒の投資には、危うさがつきまとう。今でこそ、米国経済はコロナ・ショックによってもたらされた供給断絶の高インフレを克服し、景気後退に陥ることなく金融正常化に向かっている。年5%を超えていた政策金利が2~3%程度の水準にまで引き下げることがゴールと目されているが、今のところ順調に金利引き下げを行っている。

 ところが、トランプ政権の関税政策によって貿易相手国との間がギクシャクし始めている。これが最終的には米国景気を悪化させることにつながるかもしれない。米国経済の先行きが不透明になれば、米国株価がこれまでのように上昇することは難しくなるだろう。また、米国の確定拠出年金でメインの商品として使われているのは「ターゲット・デート・ファンド(ターゲット・イヤー・ファンド)」といわれるグローバル分散投資型のファンドだ。株式ファンドもバランス型ファンドよりも「ターゲット・デート・ファンド」の方が使われている。近年、外国株式ファンドに急速に傾斜しているDC専用ファンドの残高増には警戒も必要だろう。

image005.jpg


トータルリターン1位は6カ月連続「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」


 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、6カ月連続で「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位は前月第3位から「ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」がランクアップし、前月第2位の「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」は第3位に後退。第4位に前月のトップ10圏外から「DCチャイナロード」がジャンプアップした。第6位以下に「S&P500」連動型のインデックスファンドが並んだ。

image007.jpg


iDeCo新規加入者数は前年同月比2倍増に急拡大


 国民年金基金連合会が2月3日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年12月の新規加入者数は7万2,168人で前年同月比205.7%で倍増し、加入者総数は354万890人になった。新規加入者数は4月以来8カ月連続で前年同月比マイナスになっていたが、9カ月ぶりにプラスに転じるとともに、大幅な加入者増となった。月間で7万人超の新規加入者は史上最大だ。前月は月次の新規加入者数が2万2,000人となり、公務員や第3号被保険者がiDeCoに加入できるようになった2017年1月以来で最低水準の加入者数になっていた。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8,534事業所、対象従業員数は5万4,520人になった。

 12月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は4,460人(前月4,135人)と前年同月比0.5%減、第2号加入者は6万6,084人(前月1万6,457人)と同230.1%(2.3倍)、第3号加入者は1,264人(前月1,147人)と同18.7%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が3万8,585人(前月1万6,72人)。「企業年金あり」が1万5,386人(前月3,161人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は1万2,113人(前月2624人)となった。

 12月の制度改定によって、(1)確定給付企業年金(DB等)加入の会社員と公務員のiDeCoの拠出限度額が従来の1万2,000円から最大2万円に拡大、(2)iDeCoに加入する際に勤務先が発行していた事業主証明書の廃止――が実施された。このため、会社員や公務員が対象となる第2号保険者の加入が加速した。また、平均拠出金額も会社員で企業年金ありの層が前月の1万1,529円から1万2,887円に拡大し、公務員も1万973円から1万3,262円に増額した。

image009.jpg
    
    

バックナンバー

  1. 株安と円高で純資産総額は6カ月ぶりに減少、「S&P500」連動型への資金流入目立つ=DC専用ファンド(2025年2月) ( 2025/3/12 12:00)
  2. 「S&P500」など先進国株式インデックスファンドに資金集中、iDeCo新規加入者は2倍増=DC専用ファンド(2025年1月) ( 2025/2/12 10:50)
  3. 「S&P500」連動型インデックスファンドに資金流入が加速=DC専用ファンド(2024年12月) ( 2025/1/15 09:05)
  4. 1,500億円を超える大規模な資金流入を記録=DC専用ファンド(2024年11月) ( 2024/12/11 15:16)
  5. 米国株式の上昇で外国株式インデックスファンドの人気が盛り上がる=DC専用ファンド(2024年10月) ( 2024/11/13 14:33)
  6. 46カ月連続の資金流入が継続するも流入額上位ファンドの顔ぶれに変化=DC専用ファンド(2024年9月) ( 2024/10/09 16:03)