「S&P500」連動型インデックスファンドに資金流入が加速=DC専用ファンド(2024年12月)
DC専用ファンドの2024年12月の純資金流出入額(速報値)は約521億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降49カ月連続、流入額の規模は前月の1,517億円と比較すると3分の1程度に減少した。資産分類別の流入額トップは「先進国株式」で流入額は約468億円(前月は741億円)、次いで「バランス」の約79億円(同611億円)だった。一方、「国内株式」は、約79億円(前月は13億円の流出)の資金流出で、10月から3カ月連続の資金流出になった。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約14兆7,686億円と前月から約4864億円増加して3カ月連続で史上最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド57%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月より株式ファンドが1%ポイント拡大した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
資金流入額のトップは「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金)」が返り咲いた(24年10月にトップだった)。第2位に「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」、第3位に「野村 米国株式S&P500インデックス(DC向け)」、第8位に「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス(DC)
」がランクインするなど、「S&P500」連動型のインデックスファンドが3本もトップ10に入った。従来は、「MSCI-KOKUSAI」(日本除く先進国)に連動するインデックスファンドが上位を占めていたが、公募投信市場で人気の高い「S&P500」連動型がDC市場でも主役になってきた。
前月はバランス型ファンドが資金流入額ランキングの上位を占めていたが、今月は第4位の「分散投資コア戦略ファンドS」と第7位の「DCマイセレクションS25」の2本のみとなり、その他は米国株インデックスを中心とした先進国株ファンドが占めた。
トータルリターン1位は5カ月連続「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、5カ月連続で「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位以下も前月と同じ「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」、「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」、「DC世界株式・厳選投資ファンド」だった。第5位以下に「S&P500」連動型のインデックスファンドが並んだ状況も前月と同じで、「S&P500」連動型はインデックスファンドの中で際立って高いパフォーマンスを記録している。
iDeCoの新規加入者数は8カ月連続でマイナス成長
国民年金基金連合会が1月6日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年11月の新規加入者数は2万2062人で前年同月比26.9%減、加入者総数は347万6,337人になった。新規加入者数は4月以来8カ月連続で前年同月比マイナスになった。月次の新規加入者数が2万2000人という水準は、公務員や第3号被保険者がiDeCoに加入できるようになった2017年1月以来で最低水準の加入者数だ。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8,458事業所、対象従業員数は5万3,940人になった。
11月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は4,135人(前月3898人)と前年同月比1.1%減、第2号加入者は1万6,457人(前月1万8843人)と同32.5%減、第3号加入者は1,147人(前月1019人)と同13.5%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万672人(前月1万1,973人)。「企業年金あり」が3,161人(前月3,524人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は2,624人(前月3,346人)となった。
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