iDeCoの10月の新規加入者は約3.7万人、第1号と第3号被保険者の加入は前年比20%増
国民年金基金連合会が12月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると、10月の新規加入者数は3万6,834人で加入者総数は175万6,128人になった。従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は2,157事業所、対象従業員数は1万3,986人になった。
10月の新規加入者の内訳は、第1号加入者が4,449人(前月4,467人)、第2号加入者は3万673人(前月3万1,572人)、第3号加入者は1,712人(前月1,708人)となった。なお、第2号加入者の中では、企業年金なしの新規加入者が1万8,780人(前月1万9,071人)、共済組合員(公務員)の新規加入者は7,084人(前月7,594人)となった。
加入者の内訳を前年同月比で比較すると、第1号加入者が前年同月比18.8%増、第2号加入者が同0.9%減、第3号加入者が20.0%増と、前月に引き続いて第1号と第3号加入者の増加が目立った。第3号加入者については、8月以来3カ月連続で前年同期比20%以上の増加が継続し、第3号加入者総数は7月時点で5万8,729人だったものが、10月には6万3,385人になった。前年までは1カ月当たり1,400人程度の加入者だったものが、現在は1,700人程度に加入者増の水準が引き上がっている。第3号加入者については、掛金の全額所得控除のメリットがないため、iDeCoへの加入意欲が低いといわれてきたが、節税メリットよりも将来の備えとして掛金の拠出が可能なうちに、自身の年金資産をつくっていくというメリットが意識され出したのかもしれない。
一方、第2号加入者に占める共済組合員(公務員)の新規加入は前年同月比7.7%減と目立って減少している。これは、前年6月に国会で「年金2,000万円不足問題」が取り上げられ、7月から10月まで俄かにiDeCo新規加入者が増加した際に、最も顕著に新規加入者が増えたのは公務員だったため、その影響でかさ上げされた部分が落ち着いたためのこと。月間で7,000人を超える加入者数は、2018年10月と比較すると同等の水準だ。コロナ禍にあってもiDeCoの加入状況は、全般に高水準をキープしているといえる。
iDeCo新規加入者数の推移

出所:モーニングスター作成
【関連記事】
・iDeCoの9月の新規加入者は約3.8万人、引き続き第1号と第3号被保険者の加入伸びる
・iDeCoの8月の新規加入者は約3.7万人で前年同月比9.4%減、第1号と第3号は伸びる
・iDeCoの7月の新規加入者は約3.3万人で前年同月比10.9%減、コロナ外出自粛の影響か
バックナンバー
- 株安と円高で純資産総額は6カ月ぶりに減少、「S&P500」連動型への資金流入目立つ=DC専用ファンド(2025年2月) ( 2025/3/12 12:00)
- 「S&P500」など先進国株式インデックスファンドに資金集中、iDeCo新規加入者は2倍増=DC専用ファンド(2025年1月) ( 2025/2/12 10:50)
- 「S&P500」連動型インデックスファンドに資金流入が加速=DC専用ファンド(2024年12月) ( 2025/1/15 09:05)
- 1,500億円を超える大規模な資金流入を記録=DC専用ファンド(2024年11月) ( 2024/12/11 15:16)
- 米国株式の上昇で外国株式インデックスファンドの人気が盛り上がる=DC専用ファンド(2024年10月) ( 2024/11/13 14:33)
- 46カ月連続の資金流入が継続するも流入額上位ファンドの顔ぶれに変化=DC専用ファンド(2024年9月) ( 2024/10/09 16:03)