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トータルリターンで世界REITが浮上、国内株式に3年ぶりに150億円の資金流入=DC専用ファンド(2021年10月)

2021/11/08 13:30

 DC専用ファンドの2021年10月の純資金流出入額は約573億円の流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降11カ月連続になった。バランスが183億円の資金流入となり、資産別でトップに返り咲いた。21年1月から資金流入トップを続けてきた「先進国株式」は、流入額が約172億円となり、前月の129億円から流入額は増えたものの、バランスには及ばなかった。バランスがトップに立つのは20月12月以来、10カ月ぶり。また、国内株式が約150億円の資金流入となった。国内株式が150億円以上の資金流入になるのは、18年10月(202億円)以来、36カ月ぶりのことだ。

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※ 10月の資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


 DC専用ファンド全体の純資産総額は約8兆5,711億円と前月から約2,389億円増加し、2020年11月以降12カ月連続で純資産総額は史上最高を更新し続けている。資産配分状況は、株式ファンド46%、債券ファンド17%、バランスファンド34%という割合だった。株式ファンドと債券ファンドが前月に比べて比率を1%引き下げ、「その他」に分類されるREIT(不動産投信)が2%の比率に高まった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
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出所:モーニングスター作成


■資金流入額トップ10の第1位は「4資産分散投資・スタンダード<DC年金>」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位は「4資産分散投資・スタンダード(愛称:わたしへの贈りもの)」になった。同ファンドが資金流入額のトップ10に入るのは初めて。国内外の株式・債券に分散投資するファンドで、基本配分比率は国内株式20%、国内債券52%、先進国株式(除く日本)10%、先進国債券(除く日本)15%、短期金融資産3%という比率で、この比率から一定水準以上にかい離した場合はリバランスを行う。2018年2月の設定から、安定的な資金流入が続いている。信託報酬が年0.15%と低く抑えられているのが特徴。一方、第9位に「分散投資コア戦略ファンドS」が入った。同じようにバランスファンドに分類されるが、こちらは、市況に応じて投資資産の組入比率を柔軟に変更する。このため、1年トータルリターンは、「4資産分散投資・スタンダード」よりも良い成績になっているが、信託報酬は年1.35%とやや高い水準になっている。

 なお、この2つのバランスファンド以外は、前月同様に外国株式インデックスファンドがランキングの上位を占めている。ランキングの2位は「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」、第3位は「野村 DC外国株式インデックスF・MSCI」、第5位が「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」など、信託報酬を年0.15%に抑えたインデックスファンドが続く。第6位から8位までも外国株式インデックスファンドだった。また、第4位に「One DC国内株式インデックスファンド」、第10位に「DIAM国内株式インデックスF」という国内株式インデックスファンドが入った。10月は米国株式がS&P500などの主要インデックスが史上最高値に上昇するなど、好調な相場が続き、それと比較しての出遅れ感から国内株式への注目度が高まる展開だった。現在の資金流入額ランキングには、このような市場展開を色濃く映して外国株式インデックスファンド優位の展開が続いている。

DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

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※ 10月の資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


■リターントップは「DCダイワ・グローバルREITインデックス」

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングのトップは、「DCダイワ・グローバルREITインデックス」だった。先進国REITインデックスファンドは、60%程度のトータルリターンをあげており、ランキングのトップから第7位までを独占。前月第4位の「UBS DC海外株式ファンド」(UBSアセット・マネジメント)が第8位、前月トップの「ベイリー・ギフォードESG世界株F」が第10位に残る以外は、先進国REITファンドがトップ10を席巻している。

DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

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※ 10月の資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


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