iDeCoの9月の新規加入者は3.9万人で8カ月ぶりに4万人の大台割れ
国民年金基金連合会が11月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると、9月の新規加入者数は3万9,691人で加入者総数は217万4,251人になった。月間の新規加入者は、今年2月から7カ月連続で月間加入者が4万人を超えていたが、8カ月ぶりに4万人の大台を下回った。コロナ禍の株高に刺激されたかのようなiDeCo加入の増大に一服感がある。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は3,574事業所、対象従業員数は2万2,653人になった。
9月の新規加入者の内訳は、自営業等の第1号加入者は6,045人(前月5,759人)、会社員等の第2号加入者は3万1,258人(前月3万6,011人)、専業主婦(夫)の第3号加入者は2,388人(前月2,228人)となった。なお、第2号加入者の中では、「企業年金無し」の新規加入者が1万8,784人(前月2万1,277人)と8カ月ぶりに2万人の大台割れ。「共済組合員」(公務員)の新規加入者は7,856人(前月9,331人)となった。
9月の新規加入者数は全体では前年同期比5.2%増で、2020年11月に15.0%増と前年同月比2ケタの伸び率になって以来、11カ月ぶりに1ケタ台の伸び率になった。特に、会社員等の第2号加入者の新規加入者増が減速している。9月は前年同月比マイナス1.0%と前年実績を下回った。第1号、および、第3号加入者が依然として前年同月比で2ケタ成長を続けていることと比較して伸び率の鈍化が目立つ。第2号加入者は6月をピークに月を追って新規加入者が減少する傾向が続いている。長引くコロナ規制や世界的な半導体不足などによって自動車産業が大幅減産を余儀なくされるなど、会社員の給与が減額されるような事象が起きており、定期的な月額負担の増額に消極的な考えが強まってきているのかもしれない。
第2号加入者の中では、「企業年金有り」の区分で前年同月比5.9%減と最も大きな落ち込みになった。「企業年金無し」は同1.5%減、公務員等の「共済組合員」は同3.5%増だった。例年の傾向としては、5月にボトムをつけて8月~9月に盛り上がりがあって、10月、11月は新規加入の減少が続いてきた。そして、11月を底にして3月のピークに向けて徐々に加入が増えるというのが、過去3年間の傾向だった。これまでの傾向と同じであれば、後2カ月は新規加入者数が漸減するところだ。今年は、3月と6月に新規加入者が月間で5万人を超えるという盛り上がりを見せただけに、これから年末に向けて、新規加入者の動向が盛り返せるのかに注目したい。

出所:モーニングスター作成
・制度発足20周年を迎えたDC制度、iDeCoの8月の新規加入者は4.4万人で4万人以上が7カ月継続
・iDeCoの7月の新規加入者は4.88万人、加入者総数210万人突破
・iDeCoの6月の新規加入者は5.1万人、第1号(自営業)の新規加入が加速
バックナンバー
- 株安と円高で純資産総額は6カ月ぶりに減少、「S&P500」連動型への資金流入目立つ=DC専用ファンド(2025年2月) ( 2025/3/12 12:00)
- 「S&P500」など先進国株式インデックスファンドに資金集中、iDeCo新規加入者は2倍増=DC専用ファンド(2025年1月) ( 2025/2/12 10:50)
- 「S&P500」連動型インデックスファンドに資金流入が加速=DC専用ファンド(2024年12月) ( 2025/1/15 09:05)
- 1,500億円を超える大規模な資金流入を記録=DC専用ファンド(2024年11月) ( 2024/12/11 15:16)
- 米国株式の上昇で外国株式インデックスファンドの人気が盛り上がる=DC専用ファンド(2024年10月) ( 2024/11/13 14:33)
- 46カ月連続の資金流入が継続するも流入額上位ファンドの顔ぶれに変化=DC専用ファンド(2024年9月) ( 2024/10/09 16:03)