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DC専用ファンド(2021年5月)、先進国株式への資金流入が継続、純資産総額の株式ファンド比率は過去5年で最高の47%

2021/06/08 15:07

 DC専用ファンドの2021年5月の純資金流出入額は約549億円の流入超過になった。「国内債券」が資金流出になった以外は、「先進国株式」や「バランス」など、その他のカテゴリーへの資金流入が続いている。特に、資金流入のトップの「先進国株式」は、流入額が約304億円となり、3カ月連続で流入額が200億円を超える高水準な資金流入となっている。第2位は前月同様に「バランス」で約130億円だった。

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※ 5月の資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


 DC専用ファンド全体の純資産総額は約7兆8,981億円と前月から約1,273億円増加し、純資産総額は史上最大を更新した。資産配分状況は、株式ファンド47%、債券ファンド18%、バランスファンド33%という割合だった。株式ファンドが前月から比率を2%引き上げ、バランスファンドは前月に比べて2%比率を低くした。株式ファンドの比率が47%になるのは、2015年1月以来初めてのこと。20年3月に、コロナショックによる株安で株式ファンドの比率は37.67%にまで落ち込んだが、その後は、毎月比率を引き上げている。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
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出所:モーニングスター作成


■資金流入額トップは、3カ月連続「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が3カ月連続で野村アセットマネジメントの「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」になった。5月は先進国株式インデックスファンドへの資金流入が一段と活発になり、資金流入額トップ10のうち、8銘柄が先進国株式インデックスファンドになった。先進国インデックスファンドの1年トータルリターンは45%を超えており、資金流入と相まって純資産総額が拡大。「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」は残高が3,079億円、「DIAM外国株式インデックスF(アセットマネジメントOne)は2,538億円など、大型化している。

 一方、純資金流入額のトップ10に食い込んだバランスファンドは、いずれも三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用するファンドで、第7位に「分散投資コア戦略ファンドS」、第10位に「DCマイセレクションS50」が入った。

 「分散投資コア戦略ファンドS」は、国内外の株式・債券の他、リートやコモディティ、ヘッジファンドなどに幅広く分散投資し、市場の変動に対応して柔軟に組入比率を変更してリスクを抑えることをめざすアクティブ運用型のバランスファンド。また、「DCマイセレクションS50」は、基本的な配分比率を国内株式35%、国内債券40%、外国株式15%、外国債券5%とする配分比率固定型のパッシブ型バランスファンド。それぞれの資産はプラスマイナス5%の範囲で、年1回程度の配分率の見直しを行う。信託報酬率が年0.154%(税込み)と非常に低く設定されている。

DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

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※ 2021年5月末時点、資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


■リターンは14カ月連続で「ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングのトップは、14カ月連続でベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際投信)になった。第2位に引き続き「大和住銀 DC外国株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)が入った。また、第3位に「ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式(DC)」(ティー・ロウ・プライス・ジャパン)が、前月のトップ10圏外からジャンプアップして入った。

 前月までは「J・エクイティ(DC年金)」(三菱UFJ国際)、「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和アセットマネジメント)などが入っていた国内株式ファンドは、今月はトップ10から陥落し、代わって新興国株式インデックスファンドが、1年トータルリターン52%前後の成績でトップ10に6銘柄が入った。

DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

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※ 2021年5月末時点、資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


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