DC専用ファンド(2020年10月)、運用成績トップは「ベイリー・ギフォード世界長期成長株」で年87%
DC専用ファンドの2020年10月の純資金流入額は約400億円で、2019年5月以来18カ月連続の資金流入超となった。前月に引き続き、幅広い資産に資金流入が続いている。2カ月連続で全資産分類が資金流入超になった。先進国株式への資金流入額が187億円から97億円に減って、バランスへの資金流入額が148億円から178億円に増額した。なお、9月末に過去最大を更新し6兆5,991億円となったDC専用ファンドの純資産総額は747億円減額し、6兆5244億円になった。
出所:モーニングスター作成
DC専用ファンド全体の資産配分状況は、株式ファンド41%、債券ファンド20%、バランスファンドに37%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
出所:モーニングスター作成
資金流入額トップは、3カ月ぶりに「分散投資コア戦略ファンドS」返り咲き
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が三井住友トラスト・アセットマネジメントの「分散投資コア戦略ファンドS」だった。7月以来3カ月ぶりのトップ返り咲き。第4位に姉妹ファンドの「分散投資コア戦略ファンドA」が入った。また、第8位に「三菱UFJプライムバランス(成長型)DC」(三菱UFJ国際投信)、第9位に「三菱UFJプライムバランス(安定成長型)DC」(同)、そして、第10位に「マイバランスDC50」(野村アセットマネジメント)がランクインするなど、上位にDC市場の主力ファンドに位置付けられるバランスファンドへの資金流入が目立った。
また、前月第7位だった「ひふみ年金」(レオス・キャピタルワークス)が第2位になった。同ファンドは主として国内株式を投資対象にするアクティブファンドだが、10月末時点での1年トータルリターンが15.19%と安定して高いパフォーマンスを残していることから、DC専用ファンドの中でも人気がある。
前月にトップ以下のランキング上位を占めていた外国株式インデックスファンドは、第3位に「野村DC外国株式インデックスF・MSCI」(野村アセット)、第5位に「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」(同)、第6位に「東京海上S・外国株式インデックス」(東京海上アセットマネジメント)、第7位に「DCニッセイ外国株式インデックス」(ニッセイアセットマネジメント)など、依然としてランキング上位の一角を占めている。
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング
※2020年10月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成
トータルリターンは7カ月連続「ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、7カ月連続で「
トータルリターンランキングには、国内外の株式を投資対象とするアクティブファンドが揃っている。グローバル株式では第1位の「
そして、中国株式に投資する第3位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)、第7位の「DCチャイナ・ロード」(岡三アセットマネジメント)など。国内株式では、第2位の「DCダイワ中小型株ファンド」の他に、第6位に「野村 リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け) 」(野村アセット)、第9位に「J・エクイティ(DC年金)」(三菱UFJ国際)、第10位に「明治安田DC中小型株式オープン」(明治安田アセットマネジメント)がランクインしている。
日米で政治のトップが交代(米国は確定待ち)するなど、世界経済のかじ取りが変わると株式市場の物色の動向にも変化が現れる。コロナ禍もようやくワクチン開発にメドがたってきたようなので、いよいよ非常時とは異なる市場への復帰も期待でき、これも市場の変動要因になる。このような変化の時には、アクティブファンドマネージャーの腕の見せ所であり、トータルリターンランキングでトップ10に入るような銘柄は、それぞれに優れた銘柄選定を行っているファンドといえる。今後の順位の変化も注意深く追いかけていきたい。
DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング
※2020年10月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成
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