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DC専用ファンド(2020年8月)、16カ月連続で純資金流入も国内株式は3カ月連続で流出超

2020/09/08 12:45

 DC専用ファンドの2020年8月の純資金流入額は約246億円で、16カ月連続の資金流入超となった。前月に引き続き、国内株式を除いた株式、債券、バランスにまんべんなく資金流入が続いている。国内株式の流出額は3カ月連続となり、前月の約15億円から約29億円へと流出額が拡大した。国内株式から3カ月連続で資金流出になるのは、2019年2月~4月の3カ月連続以来のこと。2015年以降では、4カ月連続で資金流出が続いたことはなく、9月に資金流入に転じるかどうかが注目される。一方、資金流入の中心は、バランスで約93億円の流入額になったが、7月の約172億円と比較すると流入額は大きく減少した。また、先進国株式の資金流入額は約83億円と比較的高水準の資金流入が続いている。

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※8月の純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


 DC専用ファンド全体の純資産総額は約6兆3,086億円と前月(約6兆2,972億円)から約113億円増加し、5カ月連続で残高が拡大した。3月のコロナショックによって5兆6,267億円まで落ち込んだが、1月のピーク(6兆3,547億円)まで約460億円に迫った。資産配分状況は、株式ファンド40%、債券ファンド21%、バランスファンドに37%という割合で前月と変わらなかった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
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出所:モーニングスター作成


■資金流入額トップは、アセマネOne「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位がアセットマネジメントOneの「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」、第2位が野村アセットマネジメントの「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」になるなど、先進国の株式に幅広く投資する外国株式インデックスファンドが、ランキングのトップ10の6銘柄を占めた。

 そして、第7位にランクインした三井住友トラスト・アセットマネジメントの「DC世界経済インデックスファンド」は、新興国も含めて世界GDPの比率に従って世界に幅広く投資するファンド。また、第9位のキャピタル・インターナショナルが運用する「キャピタル世界株式ファンド(DC年金用)」は世界株式を投資対象としたアクティブファンド。この2銘柄を含めると、トップ10のうち8銘柄は世界株式に投資するファンドになる。

DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

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※2020年8月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成


■トータルリターンは5カ月連続「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、5カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際)になった。過去1年間のトータルリターンが102.78%と倍増しており、第2位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)の46.25%を大きく引き離した成績を残している。

 また、3位に入った国内株式アクティブファンドの「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和)、第8位の「野村リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)」(野村)など、ボトムアップによって成長企業を選別投資する国内株投信、あるいは、第4位の「大和住銀DC外国株式ファンド」(三井住友DS)、第5位の「AB・G・グロース・オポチュニティーズDC」(アライアンス)、第7位の「キャピタル世界株式ファンド(DC年金用)」(キャピタル)、第9位の「Oneグローバル中小型長期成長株<DC年金>」(アセマネOne)などは世界の株式を対象としているが、総じてアクティブファンドが目立った好成績を残している。


DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

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※2020年8月末時点、純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


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