DC専用ファンド(2020年9月)、純資産総額が約6兆6,000億円と過去最高を更新
DC専用ファンドの2020年9月の純資金流入額は約495億円で、17カ月連続の資金流入超となった。前月に引き続き、幅広し資産にまんべんなく資金流入が続いている。4カ月ぶりに国内株式も資金流入超に転じ、5月以来4カ月ぶりに全資産クラスに資金が流入した。資金流入の中心は、先進国株式とバランスで、先進国株式には約187億円、バランスには約148億円の流入額になった。なお、DC専用ファンドの純資産総額は9月末に6兆5,991億円となり、今年1月のピーク6兆3,547億円を更新し、過去最大になった。
※9月の純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成
DC専用ファンド全体の純資産総額は約6兆5,991億円と前月(約6兆3,086億円)から約2,905億円増加し、6カ月連続で残高が拡大した。1月のピークを8カ月ぶりに更新した。資産配分状況は、株式ファンド41%、債券ファンド20%、バランスファンドに37%という割合で、株式ファンドが1%向上し、債券が1%マイナスになった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
出所:モーニングスター作成
■資金流入額トップは、「野村 外国株式インデックスF<確定拠出年金>」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が野村アセットマネジメントの「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。2位に前月第1位だったアセットマネジメントOneの「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」となり、前月の1位と2位が入れ替わった。先進国の株式に幅広く投資する外国株式インデックスファンドが、ランキングのトップ10の8銘柄を占めた。
第7位にレオス・キャピタルワークスの「ひふみ年金」がランクインした。同ファンドは前月の第6位から続いてトップ10入りをしている。国内株式を中心に投資するアクティブファンドだが、過去1年間のトータルリターンが23.42%と抜群に良い。そして、第8位に三井住友トラスト・アセットマネジメントの「DC世界経済インデックスファンド」が入り、この2銘柄のみが、先進国株式インデックスファンド以外のファンドになった。
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング
※2020年9月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成
■トータルリターンは6カ月連続「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、6カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際)になった。過去1年間のトータルリターンが91.88%と、第2位の「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和)の47.34%を大きく引き離している。「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和)は前月の3位からランクアップした。
トータルリターンランキングには、国内外の株式を投資対象とするアクティブファンドが揃っている。前段の資金流入額ランキングにおいては、「ひふみ年金」しかアクティブファンドがランクインしていなかったことと対照的だ。運用会社の成長企業や高付加価値企業を選び抜く選択眼がしっかりしていれば、株価指数を大きく上回る運用成績が実現できる。ちなみに、先進国株式のインデックスファンドの9月末時点でのトータルリターン(1年)は8%台の半ば、国内株式インデックスファンドも同様に8%台半ばという水準だ。これに対して、アクティブファンドは年20%以上のトータルリターンを稼いでいる。
このような高いパフォーマンスへの期待感から、好成績のファンドへの資金流入額も徐々に大きくなってきた。6カ月連続でトータルリターントップの「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」は、ランキングでトップになった4月の月間純資金流入額は1億2,700万円に過ぎなかったが、現在では6億円を超えている。
DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング
※2020年9月末時点、純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成
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