iDeCoの3月の新規加入者は約3.7万人で前年同月比14%増、iDeCo+の実施事業所拡大
国民年金基金連合会が5月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると、3月の新規加入者数は3万7,392人で加入者総数は156万2,814人になった。月間新規加入者数は2月と比べて4,550人減少したが、前年3月と比較すると4,707人(14.4%)増加した。iDeCoの拠出金に事業所がマッチングして増額するiDeCo+(イデコプラス)の実施事業所は1,462となり、前月から156事業所(11.9%)が増えた。
3月の新規加入者の内訳は、第1号加入者が3,400人(前月3,916人)、第2号加入者は3万2,405人(前月3万6,208人)、第3号加入者は1,587人(前月1,818人)となった。第2号加入者の中では、企業年金なしの新規加入者が1万9,131人(前月2万1,004人)、共済組合員(公務員)の新規加入者は7,913人(前月8,977人)となった。
3月11日にWHO(国際保健機関)が新型コロナウイルス(CIVID-19)に対してパンデミック(世界的大流行)を宣言し、不要不急の外出を自粛するようなムードが高まった。欧米の主要国では、3月10日に北部諸州で移動制限を実施したイタリアを皮切りに3月23日にかけて、各地でロックダウン(都市封鎖)が宣言された。この間、米国株価をはじめ、世界の株価が大幅に下落し、2008年の金融危機(リーマンショック)以来の大不況がやってくるといわれるようになった。この自粛ムードが、iDeCo加入にどれほどのブレーキとして働いたかはよくわからないが、前年3月よりも2桁伸びたものの、前月に対しては4,500人以上の減少となったのは、外出を控えるムードが水を差したのかもしれない。
4月7日には安倍首相が国内7都府県に「緊急非常事態」を宣言。人との接触の8割減を要請し、16日には緊急事態宣言の対象地域を全国に広げている。日本国内の動きが大幅に制限された時期にあたる。iDeCoの加入は、電話やインターネットで関連資料を取り寄せて加入申し込みが可能になっているが、「外出を控えましょう」という呼びかけが、国や自治体から繰り返し呼び掛けられる中にあっては、郵便物を投函しにいく行為すら躊躇われるという人もいることだろう。4月以降の加入者数の推移に注目したい。
iDeCo新規加入者数の推移
出所:モーニングスター作成
・iDeCoの2月の新規加入者は約4.2万人で18年4月以来の高水準、加入150万人突破
・iDeCoの1月の新規加入者は前年同月比6.7%増、老後の資産形成手段として定着
・iDeCoの12月の新規加入者は前年同月比5%減、「年金2,000万円問題」加入者増は一巡
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