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iDeCoの1月の新規加入者は前年同月比6.7%増、老後の資産形成手段として定着

2020/03/02 19:34

 国民年金基金連合会が3月2日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると、1月の新規加入者数は3万1,502人で加入者総数は149万2,728人になった。月間新規加入者数は12月と比べて1,068人減ったものの、前年同月と比較すると1,973人(6.7%)増えている。老後の資産形成手段としてiDeCoの活用が定着してきているようだ。

 1月の新規加入者の内訳は、第1号加入者が2,775人(前月3,021人)、第2号加入者は2万7,561人(前月2万8,417人)、第3号加入者は1,166人(前月1,132人)となった。第2号加入者の中では、企業年金なしの新規加入者が1万5,751人(前月1万5,962人)、共済組合員(公務員)の新規加入者は7,496人(前月8,026人)となった。いずれも前月比では新規加入者数がマイナスになっているが、前年同期比では公務員を除いて新規加入者数は増加している。なお。iDeCoに事業主が掛金を上乗せする制度である「iDeCo+(イデコプラス)」の導入事業所数は1,240事業所、対象従業員数は8,132人になった。

 iDeCoの新規加入者数は、月間ベースでは制度導入時の2017年1月~4月を除けば、おおむね2.5万人~3.5万人増で安定している。年度替わりや夏休みなどの季節的な要因によって月間加入者数には増減があるものの、平均すると18年は月間3.4万人、19年は3.2万人という水準だった。毎月3万人超が、新規にiDeCoの口座を開いて老後に向けた積立を開始している。月間の平均拠出額は1.56万円でほとんど変化がない。第1号保険者は月額約2.7万円、第2号保険者は約1.4万円、第3号保険者は約1.5万円という水準だ。

 今年2月は、新型肺炎の世界的な流行を懸念して株価が大幅に下落した。また、3月は「1~2週間が流行拡大を食い止められるかどうかのポイント」との見方に基づいて安倍首相が小中高校の休校要請するなどの状況となって、国民の移動に制約が加えられている。iDeCoの申し込みについては、各金融機関においてWEBページの案内やコールセンターでの対応によって詳しい手続き方法の説明ができる体制にあるため、実質的には対面相談が受けつけにくくなっても加入申し込みに不都合はない。引き続き新規加入者数が月間3万人台を維持できるかどうか、経過を見守りたい。

iDeCo新規加入者数の推移

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出所:モーニングスター作成


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