45カ月連続で資金流入が継続するも資金流入は国内株式にシフト=DC専用ファンド(2024年8月)
DC専用ファンドの2024年8月の純資金流出入額(速報値)は約512億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降45カ月連続、流入額の規模は前月(約780億円)から30%以上減額し、過去45カ月間の平均(約618億円)を下回った。流入額のトップは「国内株式」で、流入額は約248憶円だった。次いで「バランス」の約126憶円だった。前月トップの「先進国株式」は前月の流入額493億円から44億円へと大幅に流入額が減額した。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約13兆4,988億円と前月から約1,670億円減少して2カ月連続で純資産総額がマイナスになった。2カ月連続で純資産総額がマイナス成長するのは、2023年9月-10月以来のこと。残高の内訳は、株式ファンド55%、債券ファンド12%、バランスファンド32%という割合で、前月と比較してバランスファンドの比率が1%ポイント高くなった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
資金流入額のトップは「One DC国内株式インデックスファンド」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「One DC国内株式インデックスファンド」で、トップ5を国内株式インデックスファンドが占めた。前月トップだった「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」は第15位、第2位だった「三井住友・DC外国株式インデックスファンド」は第70位とトップ10圏外に落ちた。
国内株式インデックスファンドが資金流入額のトップ10に7本も入ることになったが、資金流入額はトップの「One DC国内株式インデックスファンド」で約30憶円の水準であり、前月のトップが約85憶円の資金流入だったことと比べると、流入金額に勢いは小さい。
国内株式は8月上旬に7月末比で日経平均株価が20%を超える大きな下落に見舞われた。その後も不安定な値動きが続いているが、国内経済は緩やかなインフレを伴う緩やかな経済成長期にあるといえる。株式市場にとっては経済環境は追い風と言え、株価が急落した場面は「絶好の買い場」ととらえられたようだ。株価の不安定さは9月にも持ち越されているが、今後、DC市場の期待の通り株価が回復に向かうのか注目される。
トータルリターン1位は前月同様「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月と同様に「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位も前月と同じ「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」だった。そして、第3位に「スパークス・厳選投資ファンド(確定拠出年金向け)」、第4位に「DIAMジャパン・セレクション<DC年金>」が入るなど、国内株式アクティブファンドがパフォーマンス上位に浮上した。
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