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44カ月連続で資金流入が継続、先進国株式を筆頭に国内株式にも資金が流入=DC専用ファンド(2024年7月)

2024/08/07 15:57

 DC専用ファンドの2024年7月の純資金流出入額(速報値)は約778億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降44カ月連続、流入額の規模は前月(773億円)とほぼ同額だった。流入額のトップは前月同様に「先進国株式」で流入額は491億円だった。直近ピークの流入額である6月の639憶円からは水準は低下したものの、2023年5月以来、15カ月連続の資金流入になった。また、「バランス」に106億円の資金流入があった。一方、「国内株式」は前月まで2カ月連続の資金流出(5月は約8億円、6月は約7億円)だったが、3カ月ぶりに資金流入(約79億円)になった。

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 DC専用ファンド全体の純資産総額は約13兆6,657億円と前月から約3,438億円減少して9カ月ぶりに純資産総額がマイナスになった。残高の内訳は、株式ファンド55%、債券ファンド12%、バランスファンド31%という割合で、前月と比較して株式ファンドの比率が1%ポイント低くなった。 (※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

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資金流入額のトップは「野村 外国株式インデックスファンド(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、前月同様に「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」だった。トップから7位までを先進国株式インデックスファンドが占め、トップ10のうち8銘柄を先進国株式インデックスファンドが占めた。

 7月は、前半に日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など国内株価指数が史上最高値を更新し、米国株価も7月上旬はS&P500とNASDAQ総合が史上最高値を更新、中旬にはNYダウが史上最高値を更新するなど、日米の株価が上昇したものの、月後半には失速。月次騰落率では、米国のNYダウとS&P500、また、英国のFTSE100やドイツのDAXは前月末比プラスの成績だったが、NASDAQ総合や日経平均株価とTOPIX、そして、香港のハンセン指数や上海総合指数などはマイナスになるなど、各市場で動きが異なるまちまちの動きになった。その後、8月に入って日本株をはじめ、米国株など世界の株価が大きく下落することになった。

 ここ数年間にわたってDC市場では、外国株式ファンドへの人気集中が続いてきた。その結果、「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の純資産残高が7,969億円、「DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>」が5,392億円、「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」が4,141億円など、先進国株式インデックスファンドが大型化した。数年前であれば、「三菱UFJ プライムバランス(安定成長型)DC)」(純資産残高3,380億円)、「マイバランス50(確定拠出年金)」(同2,249億円)などのバランス型が残高上位を席巻していたが、今ではDC専用ファンドの純資産残高ランキングでもトップ10のうち7銘柄を先進国株式インデックスファンドが占めるということになっている。

 長期の資産形成に株式を投資対象に選ぶことは決して間違いとはいえない。まして、確定拠出年金のように毎月一定額を積み立てで投資していく投資手法の場合、株式投資のリスクが時間分散されるメリットもある。ただ、株式投資には当然、価格変動リスクがあり、先進国株式インデックスの下落率は年率20%を超えるような下落に見舞われることもある。どれだけの下落率に耐えられるかというリスク許容度は、人それぞれだ。それが、同じように「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するインデックスファンドが、DC専用ファンドの純資産残高上位に7銘柄もあり、その7銘柄合計の残高は2兆9,000億円を超えている。あまりにも集中しすぎているようだ。同じインデックスに連動する7銘柄だけで全体の残高の21%を占めている。

 8月に始まった世界的な株価下落は、現在の先進国株式インデックスファンドに投資している方々に、ショックを与えるだろう。たとえば、「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の基準価額は、7月11日の7万2,624円が、8月6日には6万515円になった。わずか半月で16.67%の下落だ。米国経済のリセッション(景気後退)懸念など、先行きに不透明となる材料もこの急落の背景としてニュースが出ている。この株価下落によって、DC市場の人気銘柄に変化が現れるのか注目したい。

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トータルリターン1位は「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。前月トップの「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」は第2位に後退し、前月はトップ10を全て外国株式ファンドで占めていたが、7月はトップ10のうち4銘柄は国内株式ファンドになった。また、外国株式ファンドのうち2銘柄はESG(環境・社会・ガバナンス)を重視したファンドになった。

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