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資金流入額トップを爆走する先進国株式、バランス型やREITにも資金流入が拡散=DC専用ファンド(2024年3月)

2024/04/08 18:12

 DC専用ファンドの2024年3月の純資金流出入額(速報値)は約683億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降40カ月連続になった。流入額のトップは前月と同様に「先進国株式」で資金流入額は前月の約518億円から約367億円に減少したものの、引き続き高水準の資金流入が続いている。「先進国株式」の資金流入は11カ月連続で、うち10カ月連続で資金流入額のトップを維持している。次いで、「バランス」が約146億円の流入額で第2位に入った。前月に第2位だった「国内株式」は流入額が前月の約212億円から約53億円に減少した。一方、「国内債券」は8カ月連続の資金流出となり、「REIT」は5カ月ぶりに資金流入に転じた。

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 DC専用ファンド全体の純資産総額は約13兆1,888億円と前月から約4,669億円増加して5カ月連続で過去最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド54%、債券ファンド12%、バランスファンド32%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

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資金流入額のトップは10カ月連続「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、10カ月連続で「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」となった。第2位に「野村 DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI」、第5位に「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」など、トップ10のうち、8銘柄を先進国株式インデックスファンドが占めた。第3位にバランス型の「DIAM 8資産バランスファンドN<DC年金>」、第4位に「分散投資コア戦略ファンドS」が食い込んでいる。外国株式インデックスファンドがランキングを席巻する中で、バランスファンドが上位に入ってきたことは、新しい動きとして注目される。

 「DIAM 8資産バランスファンドN<DC年金>」は、国内株式10%、国内債券57%、先進国株式10%、先進国債券3%、新興国株式5%、新興国債券5%、Jリート3%、先進国リート3%、短期金融資産4%の基本アロケーションとしたバランスファンドで、債券への投資比率が65%を占めている。「分散投資コア戦略ファンドS」は、日本や先進国の株式・債券に加え、新興国の株式・債券やリート(不動産投資信託)、コモディティ、ヘッジファンド。「株式」「リート」「コモディティ」への投資割合の合計は、原則75%未満とし、安定性と収益性のバランスを重視した運用を行う。リスク資産への資産配分比率が比較的高いポートフォリオで運用している。

 DC市場においては、バランスファンドが「デフォルト・ファンド(加入者が運用対象を指定しなかった場合に、自動的に購入対象となるファンド)」に指定されるケースが多い。このため、資金流出入において、単純な加入者の選択の結果ではなく、「デフォルト・ファンド」への指定が、流入要因になることもある。このため、バランスファンドの資金流入額上位入りを、単純に人気復調の兆しと捉えることはできないが、DC市場全体で「バランス型」への資金流入が目立っていることは事実であり、「株式」に一方的に偏っていた資金流入状況が少し、横に広がり始めたといえよう。

 この資金流入額が分散化は、やはり、日米の主要な株価指数が史上最高値を更新する高値に押し上げられ、一定程度の高値警戒感が出てきているのだろう。「バランス型」や出遅れ感が指摘される「REIT」などに資金が向かっているのは、その警戒感の表れだろう。ただし、株式市場関係者は、今年の米国GDP成長率予想が、2023年末時点では0.6%程度の成長見通しで、1~2四半期でマイナス成長もあり得るという市場コンセンサスから、今では2%成長の予想となり、米国経済が成長を継続する「ゴルディロックス(適温相場)」といわれる状況すら想定されるようになっている。適温相場であれば、米国株式市場の株高は継続し、現在の「先進国株式インデックスファンド人気」も続くことが考えられる。今後の行方に注目したい。

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トータルリターンは3カ月連続「<DC>トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月と同様に「DCトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」になった。前月第3位の「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が第2位にランクアップした。第3位は前月第2位だった「野村 DC世界株式トレンドファンド」になった。

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