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純資産総額が12兆円の大台越え、先進国株式インデックスファンドへの旺盛な資金流入が続く=DC専用ファンド(2024年1月)

2024/02/07 17:39

 DC専用ファンドの2024年1月の純資金流出入額(速報値)は約721億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降38カ月連続になった。流入額のトップは前月と同様に「先進国株式」で資金流入額は前月の約330億円から約420億円と拡大した。資金流入額が400億円を超えたのは、2023年3月(467億円)以来10カ月ぶりのこと。次いで「国内株式」で、流入額は前月の約95億円から約134億円に増えた。一方、「国内債券」は6カ月連続の資金流出、また、「REIT」も3カ月連続の資金流出になっている。

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 DC専用ファンド全体の純資産総額は約12兆2,008億円と前月から約5,845億円増加して前月に続いて3カ月連続で過去最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド53%、債券ファンド13%、バランスファンド33%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント拡大した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

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資金流入額のトップは8カ月連続「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、8カ月連続で「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」となった。第2位には前月同様に「野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI」、第3位には「DCダイワ外国株式インデックス」となり、トップ10のうち、8銘柄を先進国株式インデックスファンドが占めた。第7位に「One DC国内株式インデックスファンド」、第10位に「DCニッセイ日経225インデックスファンドB」が入った。

 先進国株式インデックスファンドと国内株式インデックスファンドのパフォーマンスは、過去1年ではともに35%超であり、パフォーマンスの差異はほとんどない。これまでは、欧米の利上げに対し、ゼロ金利を維持する日本という構図があり、海外との金利差が意識されて円安傾向が続いてきた。海外株式ファンドは、現地の株高に加えて円安効果があって、非常に高いパフォーマンスを続けてきた。今後、海外と日本の金融政策の方向性が、これまでとは逆転する流れになっていく。欧米は利下げのタイミングを測るステージに入り、反対に日本はゼロ金利政策の脱却をめざし、利上げのタイミング待ちになっている。この金利政策が為替にストレートに反映すれば、従来の円安が円高に転換することも考えられる。外国株式への投資人気が継続的に強かったDC市場に変化が起こるのかが注目される。

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トータルリターンのトップは「<DC>トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、「DCトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」になった。前月の第2位から再びトップを奪い返した格好になった。第2位には「野村DC世界株式トレンドファンド」が前月の第4位からランクアップし、第3位に前月と同様に「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が入った。前月トップだった「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」は第68位に後退するなど、パフォーマンスの順位の入れ替わりが激しい。

 前月と同様に今月もトップ10に入る国内株式ファンドは3ファンドにとどまった。新たな動きとしては、米「S&P500」に連動するインデックスファンドが第9位、第10位にランクインしてきたことだ。今年に入って「S&P500」は史上最高値を更新するなど、1月は米国株高が目立った。トータルリターンランキングでは、そのような米国株式の好調を反映している。

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