株式ファンドへの資金流入拡大が顕著、上昇率トップは5カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」=DC専用ファンド(2023年6月)
DC専用ファンドの2023年6月の純資金流出入額(速報値)は約986億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降31カ月連続になり、前月の資金流入額の約285億円から、流入額が大幅に伸びた。流入額のトップは「先進国株式」で資金流入額は前月の約63億円から386億円に激増した。次いで、「国内株式」の236億円だった。また。前月に流入額がトップだった「バランス」は前月の約165億円から228億円へと流入額が増えたものの、それを上回る勢いで「先進国株式」や「国内株式」に資金が流れた。一方、「REIT」が約11億円の資金流出で、3カ月連続の資金流出になった。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約10兆8,825億円と前月から約6,517億円増加した。残高の内訳は、株式ファンド50%、債券ファンド14%、バランスファンド34%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント向上し、債券が1%ポイント減少した。純資産総額で株式ファンドが全体の50%を超えるのは、2015年1月以来で初めてのことになる。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
資金流入額ランキングのトップは「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「野村 外国株式インデックスファンド(確定拠出年金)」、第2位は前月にトップだった「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」が入った。トップ10のうち、6本を先進国株式インデックスファンドに連動するインデックスファンドが占めた。そして、3本を国内株式(TOPIX連動型)のインデックスファンドが占めた。
過去1年間のトータルリターンでは、先進国株式インデックスは22.9%であることに対して、TOPIX連動型の国内株式インデックスファンドは25.5%程度と高いリターンを残している。ただ、ここ数年間の米国株が主導した先進国株式の株価上昇を追い風に、DC市場では先進国株式インデックスによるつみたて投資の効果が広く浸透している。このため、6月のように株式市場全般に値上がりの追い風が吹いているような時には、先進国株式インデックスファンドへの資金流入が目立つことになる。ただ、昨今のパフォーマンスの好調さによって国内株式インデックスファンドへの注目度も高まっているようだ。
トータルリターンのトップは5カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、5カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」になった。第2位には前月と同様に「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」になったが、第3位には「野村 国内株式アクティブ(確定拠出年金)」が食い込んだ。なお、前月第3位の「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」は第11位に後退した。4月と同様にトップ10を日本株式で運用するファンドが占めたが、ランキングされているのは、全て国内運用会社が運用するアクティブファンドになっている。TOPIX連動型のインデックスファンドの過去1年間のトータルリターンが約25%であることに対し、今回ランクインしたファンドは全て過去1年間で30%を超えるトータルリターンをたたき出している。国内運用会社にとっては、ホームグラウンドで調査活動や長年のリレーションシップがあるだけに、効果的な銘柄選択ができているものと考えられる。
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