先進国株式が流入に転じ資金流入額が回復、DC専用ファンドの残高が初めて10兆円超え=DC専用ファンド(2023年5月)
DC専用ファンドの2023年5月の純資金流出入額(速報値)は約285億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降30カ月連続になり、前月の資金流入額の約48億円から、流入額が回復した。流入額のトップは前月に続いて「バランス」の約165億円、次いで「先進国株式」の約63億円だった。「先進国株式」は前月には資金流出(約48億円)だったところから、流入に転じた。「REIT」が約12億円の資金流出で前月(約5億円の資金流出)に続いて2カ月連続の資金流出になった。

DC専用ファンド全体の純資産総額は約10兆2,308億円と前月から約3,291億円増加して初めて10兆円の大台に乗せた。残高の内訳は、株式ファンド49%、債券ファンド15%、バランスファンド34%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント向上し、バランスが1%ポイント減少した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

資金流入額ランキングのトップは「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」になった。前月は第509位にまで大幅に順位をおとしていたが、3月の第2位の成績を越えてトップに立った。第2位は「One DC国内株式インデックスファンド」で、第3位には「分散投資コア戦略ファンド」が入った。また、前月トップだった「DC世界経済インデックスファンド」が第4位になった。
トップ10には、株式インデックスファンドが4本、バランスファンドが6本という内訳で、バランスファンドの台頭が鮮明になってきている。特に、5月のランキングでは、トップ10のうち、6本を三井住友トラスト・アセットマネジメント(三井住友TAM)が設定・運用するファンドが占めた。三井住友TAMの運用ファンドでトップ10に入ったのは、「分散投資コア戦略ファンドS」をはじめ、「DCマイセレクションS50」、「DCマイセレクションS25」など、同社のバランスファンドラインナップの主力商品群が中心。インデックスファンドは「インデックスコレクション(外国株式)」1本のみで、5本はバランスファンドだった。

トータルリターンのトップは4カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、4カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」になった。第2位には「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」、第3位は前月と同様に「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」が入った。前月はトップ10を日本株式で運用するファンドが占めたが、今月はトップ10のうち9本を占めるなど、引き続き日本株ファンドの運用成績が良好だ。第6位に入った「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」のみがグローバル株式を投資対象にしたファンドになっている。

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