資金流入超過も流入額が大幅に減退、先進国株式は29カ月ぶりの資金流出=DC専用ファンド(2023年4月)
DC専用ファンドの2023年4月の純資金流出入額(速報値)は約53億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降29カ月連続になったものの、前月の資金流入額の約1,154億円から、大幅に流入額が減退した。例年、年度替わりの4月には資金流入額が減退する傾向にある(22年3月1,044億円→4月417億円、21年3月900億円→4月405億円)。資金流入額が拡大する6月に向けて流入額が増大するか注目したい。流入額のトップはバランスの約59億円、次いでターゲットイヤーの約24億円だった。前月の流入額トップだった先進国株式(約467億円の資金流入)は資金流出に転じた。先進国株式が資金流出になるのは2020年11月以来29カ月ぶりのことだ。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆9,017億円と前月から約1,789億円増加して前月に続いて史上最高の残高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド48%、債券ファンド15%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
資金流入額ランキングのトップは「DC世界経済インデックスファンド」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「DC世界経済インデックスファンド」になった。基本資産配分比率を株式50%、債券50%とするバランス型ファンドだ。前月にトップだった「野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」(4月は第6位)や第2位だった「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」(同509位)など、外国株式インデックスファンドが後退し、代わってバランス型ファンドがランキングの上位を占めた。
また、第9位に「野村 国内債券インデックスF(確定拠出年金)」、第10位に「DC日本債券インデックスオープンS」と国内債券ファンドがランクインした。長らく続いた株式ファンド優位の時代に、少し変化が出てきていることをうかがわせる動きだ。
トータルリターンのトップは3カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、3カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」になった。第2位には「ファンド・コロワイド(DC年金)」、第3位は前月2位の「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」が入るなど、前月同様にトップ10を全て日本株式で運用するファンドが占めた。
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