DC専用ファンドの純資産残高合計が初の9兆円台、20カ月連続で資金流入=DC専用ファンド(2022年7月)
DC専用ファンドの2022年7月の純資金流出入額は約482億円の流入超過にとなり、資金流入超過は2020年12月以降20カ月連続になった。流入額のトップは前月に続いてバランスで、流入額は約174億円。前月の639億円の3割程度に流入額は減少したが、3月以来5カ月連続の資金流入になった。次いで、先進国株式の約159億円だった。前月同様にすべての資産クラスで資金流入になった。

出所:モーニングスター作成
DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆932億円と前月から約2,734億円増加し、初めて9兆円の大台に乗せた。残高の内訳は、株式ファンド47%、債券ファンド16%、バランスファンド35%という割合で、株式ファンドの比率が前月比1%ポイント上昇した。また、バランスファンドに含まれるターゲットイヤー型ファンドの残高が初めて単独カテゴリーとして1,000億円を超えた。ターゲットイヤー型は米国の確定拠出年金で運用の中心になっているカテゴリーの1つとされている。国内でも確定拠出年金制度が広がるにしたがってターゲットイヤー型の利用が徐々に増えている。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

出所:モーニングスター作成
資金流入額ランキングのトップは「分散投資コア戦略ファンドS」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「分散投資コア戦略ファンドS」になった。前月までは外国株式インデックスファンドが資金流入額ランキングの上位を占めたが、7月は、トップに加え、第10位にも「分散投資コア戦略ファンドA」が食い込むなど、バランス型ファンドも見直されてきているようだ。
ただ、流入額トップ10の中心は、依然として外国株式インデックスファンドだ。第2位に「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」、第4位に「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」、第5位に「三井住友・DC外国株式インデックスファンド」が入るなど、トップ10のうち6銘柄が外国株式インデックスファンドになった。
一方、第3位に「フィデリティ・アクティブ・グロース(DC)」が入った。同ファンドは、国内株式を投資対象にしたアクティブファンドだ。米国株式をはじめとして外国株式に上昇一服感が出てきているだけに、出遅れ感が強いとされている国内株式が見直される動きがあるのかもしれない。今後、国内株式への投資意欲が高まっていくのか注目したい。
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

出所:モーニングスター作成
トータルリターンのトップは3カ月連続でピクテの「グロイン」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月トップの「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」が3カ月連続でトップを維持した。第2位も前月同様に「野村 世界好配当株投信(確定拠出年金)」、第3位に「DCダイワ・グローバルREITアクティブF」が浮上した。前月第3位だった「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」は4位に後退した。
この上位4ファンド以外はすべて先進国REITインデックスファンドだった。
DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

出所:モーニングスター作成
バックナンバー
- トータルリターンは日本バリュー株ファンドが年25%超でトップ10の6割占める=DC専用ファンド(2023年10月) ( 2023/11/08 14:06)
- トータルリターンのトップ10は日本株アクティブファンドが席巻=DC専用ファンド(2023年9月) ( 2023/10/06 16:42)
- 資金流入が集中する先進国株式インデックスファンドは信託報酬率が年0.10%を下回る=DC専用ファンド(2023年8月) ( 2023/9/07 11:36)
- トータルリターンのトップ10は国内株式アクティブ、資金流入は先進国株式インデックスに集中=DC専用ファンド(2023年7月) ( 2023/8/08 11:55)
- 株式ファンドへの資金流入拡大が顕著、上昇率トップは5カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」=DC専用ファンド(2023年6月) ( 2023/7/07 16:39)
- 先進国株式が流入に転じ資金流入額が回復、DC専用ファンドの残高が初めて10兆円超え=DC専用ファンド(2023年5月) ( 2023/6/08 15:27)