DC専用ファンド(2019年12月)、パフォーマンス上位に内外の株式アクティブFが大浮上!
DC専用ファンドの2019年12月の純資金流入額は約526億円で、8カ月連続の資金流入超となった。流入額は前月(11月)の161億円から3.3倍増になった。国内債券に約272億円の資金流入があった。過去5年間で最大の流入額になっている。個別ファンドで、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「インデックスコレクション(国内債券)」に239億円の資金流入があった。また、国内株式は前月の約62億円の資金流出から、92億円の資金流入に転じた。流入超となったのは3カ月ぶり。個別ファンドで「インデックスコレクション(国内株式)」が約129億円の資金流入になっている。国内債券、国内株式ともに、三井住友TAMが運用するインデックスファンドに大量の資金流入があったことが資金流出入状況に影響したようだ。
※12月の純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成
DC専用ファンド全体の純資産総額は約6兆2,171億円と前月の6兆868億円から約1,304億円増加した。19年9月以来、4カ月連続で史上最高残高を更新し続けている。資産配分状況は、株式ファンド41%、債券ファンド20%、バランスファンドに36%という割合で前月と変わらない。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
出所:モーニングスター作成
資金流入額トップは三井住友TAM「インデックスコレクション(国内債券)」
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が三井住友トラスト・アセットマネジメントの「インデックスコレクション(国内債券)」、第2位が「インデックスコレクション(国内株式)」になった。月間資金流入額の規模がそれぞれ100億円を超えるほどに大きいため、大型企業のDC制度導入にともなう運用開始が行われた可能性がある。最も大きな流出金額になったファンドが、流出金額9.95億円の規模であり、大規模なスイッチングが行われた可能性は低い。
第3位には、野村アセットマネジメントの「野村 世界REITインデックスF(確定拠出年金)」が入った。前月までは「野村 J-REITインデックスファンド」が人気を集めていたが、国内REITから海外REITに人気が移ったようだ。
一方、第4位に入った「One 日本の成長力α<DC年金>」(アセットマネジメントOne)は19年4月12日の設定で、国内株式のアクティブ運用ファンド。そして、第6位の「ラッセル 国内株式マルチ・マネージャーF」(ラッセル・インベストメント)は19年3月29日に設定されたアクティブファンドで、世界の運用会社の中から日本株運用で優れたファンドマネージャーを選択してポートフォリオを組む仕組み。ともに運用期間が1年間に満たないニューフェースだ。アクティブファンドながら、信託報酬が年1%を下回る比較的低いコストになっていることが共通している。
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング
※2019年12月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成
トータルリターンのトップは「フィデリティ・海外株式・ファンド(DC)」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップ10は、前月から大幅に入れ替わった。前月まで7カ月連続でJ-REITファンドがトップ10を独占していたが、今月はトップ10にJ-REITファンドは1本も入っていない。
トップは「フィデリティ・海外株式・ファンド(DC)」(フィデリティ投信)。MSCIコクサイインデックス(配当金込み、円換算、為替ヘッジなし)をベンチマークとし、国別・地域別の配分比率はベンチマークと同等とし、組み入れる銘柄の選定によってベンチマークをアウトパフォームすることをめざすアクティブファンド。
第2位の「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和証券投資信託委託)、第3位の「大和住銀 DC外国株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)など、第5位に入った「野村 世界SRIインデックスF(確定拠出年金)」を除き、国内外の株式アクティブファンドがトップ10を占めた。
もっとも、インデックスファンドとはいえ、「野村 世界SRIインデックスF(確定拠出年金)」が連動をめざす「FTSE4Good Global 100」は、世界的に知られたESG指数であり、兵器やたばこ製造など特定業種を排除する銘柄選定を実施しているため、市場全体の動きをとらえるインデックスとは一線を画したインデックスになっている。
DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング
※2019年12月末時点、純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成
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