確定拠出年金の運用テクニック~リバランス
加入当初に決めた運用方針を守るために、徐々にバランスが崩れていく資産を元のバランスに修正し、一貫性を保つことが必要です。これを「リバランス」といいます。
事例で見るリバランスの考え方
下の図をご覧ください。例えば、当初利回り3.5%を目標とし、円グラフのようなポートフォリオを想定したとします。しかし、相場は日々変化していくので、予想以上に上昇することもあれば、その逆もありえます。この例では、100万円の資産が、1年後に122万円に増えました。なかでも株式型の貢献が大きくなっています。
リバランスの効果
例えば、正反対の値動きをする2つの商品に50万円ずつ、計100万円投資する場合で見てみましょう。リバランスをしない場合は、トータルの資産は増えたり減ったりを繰り返すだけで増えませんが、定期的にリバランスをすれば、2つの商品の値上がりを、着実にトータル資産の増加に結びつけることができます。これは、リバランスを通じて「値上がりしたものを売り、相対的に安くなったものを買う」ことができるからです。
リバランスのタイミング
モニタリングで「トータル資産のモニタリングは年1~2回行う」と説明しましたが、そのたびにいつもリバランスを行う必要はありません。リバランスは、行っても年に1回程度で十分です。(1)コストがかかる
リバランスをするために、ある商品を売却・解約する場合には、一定の手数料がかかります。 必ずいくらかかるのかを確認してから行うようにしてください。
(2)厳密にやりすぎない
実際のリバランスは、厳密にやり過ぎないようにしましょう。金額がピッタリ合わなくても気にせず、できるだけあなたの運用方針(資産のバランス)に近づけるスタンスで続けることが大切です。
5年に一度程度の割合で、資産状況やライフプランを見直してアセット・アロケーションを再検討する事をリアロケーションといいます。予定以上の資産が形成できたとか、家族環境や仕事環境が変わったり、リスク許容度も変わっていることがありますので、運用方針の見直しも考えましょう。特に、50歳以降は慎重に進める必要があります。
リアロケーションのイメージ