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DC市場で株式ファンドへの資金流入が復調、インデックスファンドのコスト引下げ続く=DC専用ファンド(2022年12月)

2023/01/11 17:06

 DC専用ファンドの2022年12月の純資金流出入額は約902億円の流入超過になり、資金流入超過は2020年12月以降25カ月連続になった。流入額のトップは前月同様に先進国株式で、流入額は約316億円になった。先進国株式には5カ月連続で200億円以上の資金流入が続いている。次いで、前月も第2位だったバランスに約251億円の資金流入があった。バランスへの資金流入額は前月の約113億円から倍増している。また、前月は資金流出となった国内株式や国内債券も資金流入に転じ、全ての資産クラスで資金流入になった。全ての資産クラスが資金流入になるのは、22年7月以来5カ月ぶり。

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出所:モーニングスター作成

 DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆862億円と前月から約3,197億円減少した。残高の内訳は、株式ファンド47%、債券ファンド15%、バランスファンド35%という割合で、前月と比較して株式ファンドが1%ポイント低下した。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

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出所:モーニングスター作成

資金流入額ランキングのトップは「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」で、前月トップだった「野村 外国株式インデックスF・MSCI」が第2位になった。この2ファンドについては、2022年12月28日に運用コストにあたる信託報酬率を従来の年0.154%(税込)から、年0.1023%(同)に引き下げた。現在のDC専用ファンドの中で最低水準の信託報酬率になっている。また、純資産総額は「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」が約4,114億円で、DC専用ファンドの中では圧倒的なトップだ(第2位は「DIAM 外国株式インデックスF<DC年金>」の3,194億円)。過去1年間で全DC専用ファンド中トップの資金流入となったことが残高を押し上げた。なお、信託報酬率の引き下げは、野村アセットマネジメントの外国株式インデックスファンド以外でも広がっている。

 資金流入額トップ10のうち6ファンドが先進国株式インデックスファンドに占められるなど、依然として先進国株式インデックスファンドがDC運用の中心となるファンドに選ばれている。

 また、国内株インデックスファンドは第8位に「One DC国内株式インデックスファンド」、第10位に「三菱UFJ DC国内株式インデックスファンド」がランクインし、存在感を強くしている。

DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

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出所:モーニングスター作成

トータルリターンのトップは「グロイン」がトップ返り咲き

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月は第2位だった「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」(通称:グロイン)が22年9月以来3か月ぶりにトップに返り咲いた。前月まで2カ月連続でトップだった「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」は2位に後退した。

 前月は第3位だった「野村 世界好配当株投信(確定拠出年金)」は6位に後退し、前月第5位の「損保ジャパン日本株オープン(DC年金)」が3位に、前月第6位だった「みのりの投信(確定拠出年金専用)」が4位に浮上した。日本株式を対象にしたファンドが順位をあげている。

DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

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出所:モーニングスター作成

    
    

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